
イギリスで経験した結婚式
もう、20年以上前になってしまいましたが、海外ウェディングがまだ日本ではほとんど行われていない頃、私はイギリスで結婚式を挙げました。
イギリスの結婚式は教会で行われることが多いようです。私達もセント・メアリー教会という、小さいながらもステンドグラスが美しい、蔦の絡まる雰囲気のある教会で式を挙げました。ピンク色の小さな薔薇の花がアレンジされたバージンロードをドキドキしながら歩いたことを覚えています。
真っ白なウェディングドレスとおそろいにデザインされたブライドメイドたちが着るのはピンク色のドレスです。それぞれがブーケを持って教会での式に参列しました。女性の参列者は必ず帽子を着用するように言われましたが、私達日本人の参列者は帽子を用意できなかったので、日本での正装である着物で参加することに。
イギリスでは教会での結婚式に参列する際、女性は必ず帽子をかぶるのが正統なのだそうです。若い女性はもちろん、年配の女性も帽子をかぶって式に参列します。自分の髪の色や瞳の色に合わせて選ぶ、思い思いのドレスやスーツは比較的シンプルなのですが、ツバの大きなエレガントな帽子合わせると、誰もがたちまち貴婦人になります。洋服とは、帽子と合わせるのが正統派フォーマルスタイルなのだなと実感しました。

イギリスのウェディングケーキ
無事に式が終わると、その後近くの古城で披露宴です。
披露宴でのメインと言えばウェディングケーキのケーキカットですね。イギリスのウェディングケーキは三段になったものが用意されるのだそう。実は、一番下から順に小さくなっていくウェディングケーキには、ちゃんと意味があるのだと教えてもらいました。(これはブリテン島でも南部の風習なのかもしれませんが・・・)
ウェディングケーキの中身はドライフルーツがいっぱい入った少しハードなフルーツケーキになっていますが、それを覆うように真っ白なシュガーペーストを飾っていきます。さらに、シュガークラフトで周りをデコレーションします。日本のケーキのようにスポンジふわふわのケーキとは大違いの、どちらかと言えばしっかりとしたパウンドケーキに近いケーキです。
ケーキカットが行われると、一番下の大きなケーキを披露宴の会場のみんなで頂きます。二段目は結婚式に来られなかった方へおすそ分けされます。一番上のケーキはこどもが生まれるまでとっておき、生まれたお祝いに食べるのです!つまり、長期保存が可能なのです。
実は、シュガーペーストが時と共に固まって、まるでフルーツケーキを入れた缶詰のような役目をしてくれるのです。中のフルーツケーキは密封されていて、しかも砂糖がふんだんに入っているので腐りません。ですから1年経っても全く問題なくいただけるほどになるというわけです。
私のウェディングケーキも1年経っても無事でした。カビなどの心配をしていたのですが、外のシュガーペーストはカッチカチに固まって、ナイフの歯も立たないほどに。あまりの硬さに金槌で叩き割ったほどでした。お味の程は・・・ご想像にお任せしましょう。
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