“いい夫婦”とは危機を乗り越えてこそなれるもの<後編> 結婚のきっかけ

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“いい夫婦”とは危機を乗り越えてこそなれるもの<後編>

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結婚のきっかけ編集室

2018-9-21

“いい夫婦”とは危機を乗り越えてこそなれるもの<後編> -

「子どもが生まれると母として強くなる」と、だんだん彼に対して率直にものを言えるようになってきた恵子さん。何も言わず我慢していた時期からは脱却したものの、仕事でほとんど海外出張ばかりの彼との付き合い方を模索した時もあったといいます。そのための打開策とは? 今回は後編です。

恵子さん:
私自身の結婚の信条で、子どもが出来ても夫婦の関係は関係で大切にしたいっていうのがずっとあったんです。ですから、なるべく夫婦二人だけの時間を作ろうと思いました。
何をやったかって言うと・・・夜、銀座や新橋とかでお酒を飲んで酔っぱらった彼から“迎えに来いコール”があるんです。その頃は大きなワゴン車に乗っていたので、それで夜中の2時、3時でも彼を迎えに行っていました。



孝次さん:
飲み会も多かったしね。



その、迎えにいったドライブの時間が夫婦の時間だったわけですか?



恵子さん:
そう。だから、なるべく彼の要求には応えようと努力はしましたね。まあ、私の自負ですけれど。
酔っぱらって“迎えに来てコール”があると、夜中の2時に呼び出されても、嫌な顔せずに迎えに行きました。その頃はGPSなんかなかったから、地図を広げてどこの何丁目? どのお寿司屋さん? とか探したりしてね。



孝次さん:
そういう意味では昔は大変だったよね。
仲間内から「奥さん呼べば?」みたいな感じで言われたりしたから、それでね。



恵子さん:
それで、迎えに行っては呑み仲間を送っていったりもしたしね。子ども達には「地震があったら机の下に隠れるのよ」とか伝えて・・・4人で頑張って寝てましたっけ。おばあちゃまもいたから安心でしたけど。

でも、無理してそういう時間を作らないと、夫婦ってどんどん気持ちが離れてしまうでしょう? そうするとお互いに疎遠になって行っちゃうし。

“いい夫婦”とは危機を乗り越えてこそなれるもの<後編> - 多忙な新聞記者生活から一変、ご主人が突然転職することに。その時の奥様の対応とは?

多忙な新聞記者生活から一変、ご主人が突然転職することに。その時の奥様の対応とは?

恵子さん:
子育て真っ最中のある時、彼が「仕事を辞めてもいいか?」って何度か言ってくるようになったの。でもきっと、彼も仕事を辞めることはすごく勇気が要ることだと思ったので、「私はあなたが仕事を辞めても全然構わないわ」「子どもが4人いても平気よ」って言ったんです。
人生いろいろあるからいいじゃないって。

孝次さん:
新聞記者といってもサラリーマンなので、良い時もあれば悪い時もね。それで新聞社から雑誌社へ移ることにしたのですが、その間の3か月くらいは段取りしたりして。

恵子さん:
私の中に“彼には男前でいて欲しい”っていう思いがあるんです。良い格好の男にしておきたい。他の人にダサいって思われるよりは「あなたのご主人いいわね」って言われたいなと。自慢したいとかいうことじゃなく、カッコ悪くさせたら私のせい?かもって。
そういう意味で「仕事辞めても大丈夫よ」って言ったんだと思います。

まあ、人生いろんなことがありましたね。その時その時いろいろあって何とか乗り越えてきて、35年も一緒にいると、最後は別れる切れるが無くなるというか・・・まあこれでいいかってなりますね。


仲良しの夫婦は価値観が似てるといいますが、お二人はどうですか?


孝次さん:
“面白いと思うものは同様に面白いと思う”っていうことも入るんであれば、同じでしょうね。
彼女は僕が面白いと思っているものは面白いって言ってくれるよね。

恵子さん:
史跡めぐりや、音楽バンドなど、まず彼が興味を持ってハマりだすと、彼が一人で行き始める。そのうちに、声をかけられて私も一緒に行ったりして・・・今度は私がそれにハマっていくんです。
それが“価値観が一緒”と言うことであれば似てるわね。自転車も始めちゃったしね。


自転車?


孝次さん:
僕は5年前から自転車を始めてね。

恵子さん:
たまたま息子が先に自転車に乗っていて、部品パーツで主人にオリジナルの自転車を作ってくれて、彼のおさがりを私が使うようになったんです。それが自転車に乗り始めで、私も一緒に自転車で出かけるようになりました。

孝次さん:
週末は天気次第でどこか走りに行くことが多いですね。荒川沿いにサイクリングロードがあるので川上に行くか川下に行くかを決めてね。川上だったら森林公園の方まで、川を下って行くと葛西臨海公園の方までも行けるんです。
一人の時は自転車で帰ってくるけれど、彼女と一緒の時は、午前中に出かけてランチして。午後にまた一走りして、帰りは自転車を畳んで電車に乗って、その土地の銭湯に寄って一杯飲んで帰ってくる。

恵子さん:
自転車にハマる前は、52歳の頃だったかな。中年バンドを練馬の仲間5人位で結成して、彼はベース担当で。ライブの裏方はその奥さんたちでやってね。バンド演奏後は飲み会をやったり。
そうそう「団塊ブラザーズ4」っていう本を出版したりもしたわね。夫婦の暴露本みたいな感じになっちゃったけど(笑)

団塊の世代って、仲間ネットワークの夫婦同士でなにかと切磋琢磨して、なにかと戦っている・・・そういう年代なのかもしれませんね。40代の時は若気の至りで喧嘩したりしたけど、50代になってからは考え方も落ちついてきて夫婦二人で過ごす時間が増えました。

実は去年、彼が大病をしたりしてけっこう大変な病気だったんです。それでも忍耐強く頑張っている姿を見て、そんな彼をすごく尊敬しました。

いつかは私が彼を介護するつもりでいるけれど、将来は果たしてどうなるかはわからないですよね。私が介護されるかかもしれないですし。お互いの老後についてはいろいろと考えていますが、とにかく、今出来るうち、元気なうちは仲良くしていたいですね。
共に白髪のはえるまで・・・とは思っていますけど、どちらがどうなるかはわからないですからね。


病気の時ほど、夫婦の存在意義が問われますね。


恵子さん:
私が49歳の時に眩暈がひどくなって、3か月ほど一人では歩けなかった時があったんです。その時は彼が本当によく面倒を見てくれました。初めて手を繋いで歩いたし(笑) 手を繋がないと歩けないくらいだったんです。「しおらしい恵ちゃんを初めて見た」って言われるほどでしたから。
車の運転もできず、仕事の送り迎えも彼がしてくれました。

孝次さん:
大事なのは、そういう時に自然にできるか、ということなんじゃないかな。
面倒くさいと思わず自然にできるか。どちらかがそうなった時に、無意識にカバーできるということが“チーム”なんですかね。
夫婦は“チーム”だね。仕事もそうだろうし、生活空間でもそうでしょうね。

“いい夫婦”とは危機を乗り越えてこそなれるもの<後編> - 危機を乗り越えてきたお二人が今思うこととは

危機を乗り越えてきたお二人が今思うこととは

お互いに点数を付けるとしたら?



孝次さん:
よく、グルメの星ってあるでしょう?5つ星が最高だけど・・・そういう店はなかなかないよね。4個目の星が半分までかかっている・・・かなりうまいお店でも★4.5くらい。それでもかなりなものだよな。



恵子さん:
えーっ? 何がいいたいの? マイナス0.5はなあに?



孝次さん:
0.5はこれからの健康で、どれくらい夫婦でいられるかっていう・・・そのへんに残しておこうかな。
5ってのはなかなか見ないものね。ありえないってことじゃないの?



恵子さん:
じゃあ、最期の枕元で「五つ星だよ」って言ってくれるのかな?



孝次さん:
ああ、そういうことかな。枕元に保険金とかすべて揃っているところでね(笑)



奥様はご主人に点数を付けるとしたら?



恵子さん:
点数・・・昔は彼に「私に感謝して」って思っていたけれど・・・今は私が感謝してるかな。
4人の子どもが出来たことや、おばあちゃんの介護をしなきゃならなくなったりと、こんなはずじゃなかったと思った時もあって若い時は大変だった。その時の文句が「もう別れよう」ってわめいていました。でも、そんな時も、最後まで判子を押さなかった。その彼の忍耐強さがあったからこそ今があるんだと思ってます。

人生の後半では私がやりたい仕事や政治界の参加への理解等、好きなことをやらせてくれたことに。そして、この歳まで夫婦を続けて来られたことでは、彼に感謝ですね。
点数ってなかなか付けられないなあ。本当に「これまでありがとう」しかないかな。
あえてつけるなら90点かな。あと10点はこれからの分ですかね。
お互いに何があるかわからないし、これからのことは神様が決める事ですから・・・。一日一日を大事にしていきましょうね!



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<完>
インタビュー 2014年7月18日
白石孝次さん・恵子さん 結婚のきっかけ

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