住んでいたマンションの取り壊しがきっかけ⁈旅人夫婦の結婚秘話＜後編＞ 結婚のきっかけ

東京都北区赤羽、駅前から続く飲み屋街の中にある
barber bar Kalimbar(バーバーバーカリンバー)。
カリンバ奏者・製作者として活躍するアーティストBun(ブン)さんと、奥様の智美(さとみ)さんのお店です。
遠方の常連さんもいるという、人を惹きつけてやまないお二人の結婚エピソードを、たっぷりお聞きしました。
＜前半からの続き＞

喧嘩して蹴ったほうが足の親指骨折したという痛いエピソード

★お二人それぞれについて聞かせてください。一言で言うと、奥様はどんな人？

Bunさん：
基本的に、優しい人。優しくて、料理が上手。

智美さん：
それすごく普通のコメントじゃない？(笑)

Bunさん：
そこそこ美人だと思います。

智美さん：
言わせた(笑)。これ昨日仕込んどいた(笑)

Bunさん：
器量いいよ、サバサバしてて。


★面白エピソード聞かせてください。

Bunさん：
なんかで喧嘩しときね、（智美さんが）俺のこと思い切り蹴って、足の親指骨折した(笑)。
で、骨折するほど蹴られたから俺も痛くて、超怒って殴り返したんだけど、殴ったところじゃなくて、足が痛いって、ものすごい痛がって、みたら変なふうに曲がってるんだよ(笑)

智美さん：
若かったからね、もうそれだけじゃ済まなかったよね。
ワイン飲んでて、赤ワイン掛け合い！血だらけみたいになった(笑)

Bunさん：
部屋中、障子から壁から真っ赤(笑)
で、もう「「痛いよ痛いよ～～！」て言うもんだから、しょうがないから病院連れてって。

智美さん：
看護師さんに「旦那さんの太もも鉄板でも入ってるのかしら？」って言われた(笑)

Bunさん：
それで、骨折した次の日に、よみうりランドの「レゲエサンスプラッシュ」ていうイベントがあって、みんなでビール飲みながら踊るって言う陽気なイベントなのに、かわいそうにさと（智美さん）は松葉杖で(笑)

智美さん：
「(そんな怪我してまで)来たい人は来たいんだね」って他の人が言ってるの、ちらちら聞こえたり(笑)
「こんな足場の悪いところに」って。
滑るよ、ホントに(笑)
命がけで遊びに行った(笑)

Bunさん：
面白いって言うか、痛いエピソードだね(笑)
あとね、インドを旅してる時に、ガンジス川の辺りを歩いてたんだよね。
そしたら、水牛の群れがやってきて、なぜかさとを追い始めて。
さとはダッシュして逃げてるのに、その後を水牛が十何頭ドドドドド…と(笑)

智美さん：
まさかでしょ(笑)
誰もいない原っぱみたいなところの道を歩いてて、向こうから水牛が来て、なーんか嫌な予感したんだよね。
そういうとき(Bunさんは)どうしてるかって言うと、ニヤニヤ笑って見てるだけ(笑)

Bunさん：
助けられないもん！水牛だよ？！どうしようもないよ(笑)

智美さん：
大概ピンチの時は助けてくれない(笑)

Bunさん：
日比谷公園でも、犬に追っかけられてね(笑)
子犬なんだけど、凄い形相でワンワンワンワンって、さとのこと追っかけて。
それを止められないよね(笑)

智美さん：
笑ってんだよね(笑)
そういえばネパールあたりでもそう言う感じもあったかもしれない。
野犬！あ、タイだよ！
きっとフェロモンがあるんだよ(笑)
あとお金拾うとか、多めにもらうとか(笑)

私がピンチの時は遠くのほうで笑っている（笑）

★じゃあ、旦那様はどんな人？

智美さん：
まぁ…カリンバが上手な人(笑)
すごく集中力が高い、いざという時に発揮する。
私がピンチの時は頼りにならないけど(笑)、ここぞという時は。
旅行してる最中は、国が変わる度に熱を出すんだよね。
病気になるの。

Bunさん：
ちょっと体弱いんだよね…(笑)

智美さん：
だから私、一人で街にでなきゃいけなくて。
街の勝手もわからないし、いろんな大変な目にあった～。
ナイロビでアフリカ人突き飛ばすハメになる(笑)
ものすごい治安が悪い時で、そんな中一人で買い物とか…。
初日だけは元気なんだよ、二日目から倒れるの。

Bunさん：
水に慣れないんだろうね。1～2週間すると慣れるんだけど。

智美さん：
私は割と平気。高山病にならない限りは。
ネパール行く飛行機でさ、Bunちゃんが本見ながら呪いのように「高山病になるとああなってこうなって…」って話しかけてくるのよ、飛行機くらい寝かせて欲しいのに(笑)

Bunさん：
俺が(高山病に)なると思ってるからね、頭痛くなってきたらどうしよう、とか(笑)
で、インドのレーラダックっていう、富士山くらいの標高のところに着いたら、頭痛くなるんじゃないかって心配してたんだけど、空気が薄くて、なんだかハイテンションになっちゃうんだよね(笑)
「スッゴイいいじゃん、ここ！！」って。
それで隣でさとがオエッて吐きはじめて(笑)
「ひぇ～～！さとが高山病になっちゃった！」って。
で、さとは寝てて、俺は一人で史跡とか周ってたんだよね。

智美さん：
ていうと聞こえはいいけど、一人でヒッチハイクとかしてどんどん行っちゃって、いつ帰ってくるのかもわからない(笑)
私はもうグッタリしてて動けないのに、どこ行っちゃったの～～？みたいな(笑)

Bunさん：
だって一緒にグッタリしててもしょうがないじゃん！(笑)
でさ、さとはずっとベッドに寝てるから、南京虫にやられちゃって。
背中じゅうプツプツになってて。
俺はたまにしか寝ないから大丈夫だったんだけど。
まぁさとも元気になったら「川で洗濯するの気持ちいい～！」とか言ってたよね(笑)

智美さん：
総じて、まぁBunちゃんは、私がピンチの時は、遠くの方で引いて笑ってる、あ、ニヤけてるって書いといて！(笑)
ほんっと頭にくるよね～～(笑)
いいところは…そう、趣味が一緒なことかな。旅とか、一緒にお酒飲んだり、笑うところが一緒。
そう、あと愛らしいよね、動物っぽいっていうか(笑)

Bunさん：
アライグマみたいな？(笑)
せっかく痩せたのに。

智美さん：
そうそう、アライグマっぽいと思ったんだよね～(笑)
太ってるとかそういうんじゃなくて(笑)

形から入る夫、ボーナスで夫に投資する妻

智美さん：
あとね、なんかわからないけど、この人の行動パターンに乗っとけば楽だなっていう。
私はとりあえず火つけとくから、あとは連れてって、みたいな。
Bunちゃんの興味のありそうなことを、何かのときに私がキャッチするんだよね。
で、それを伝えると、ガーーーッとそこにスイッチが入るんだよね。

Bunさん：
ナビゲーションだからね、さとは。

智美さん：
ピピッときちゃうの。
カリンバ初めて見たバイト先も（※前編参照）、私の会社の部長さんからの繋がりだったし。
会社辞める直前に入ってきた人で、「会社辞めたら何するの？」って。
秋から職業訓練校に行こうと思ってたから、夏の間はフリーで。
「葉山に海の家があるんだけど、やらない？」って。

Bunさん：
今の綺麗な海の家の先駆けみたいな感じだったよね。

智美さん：
でもそんな変わった海の家だってことはBunちゃんには内緒にしてて(笑)、
最終日に「来てみる？」って。
そしたら雷に打たれたようになっちゃって(笑)

Bunさん：
この音楽はなんだろう？って。
で、それまでU2とか好きだったのに、
とりあえず帰りに横浜のチャイハネで、みんなの着てたみたいな衣装を買って(笑)、
Bob MarleyのLegendっていうLPレコード買って、
家に帰って着替えてレコードかけて聴いて、「うーーーーん、わかんない！！」みたいな(笑)

智美さん：
形から入るよね！！(笑)

Bunさん：
毎日仕事帰ってから着替えて聴いて(笑)
3ヶ月目にやっと「あ！！このアルバムいいじゃん！！」って。
そしたら早速、髪長かったからドレッドにして。

智美さん：
わざわざ原宿の美容室に行って。
もう自分のことには金かけるよね～！
たいてい私のボーナスはBunちゃんの趣味に消えてったの、笑い事じゃないよ(笑)
バイクもフルセット揃えたし。

Bunさん：
さとのお金でやってたっけ？！

智美さん：
その時のセリフがあるんだよね、
「俺、今こうこうこういうことに興味あってさ、でも〇〇が必要なんだよ～」って、ちょうどボーナスの時期を見計らって言ってくる(笑)

Bunさん：
さとのボーナスが出るまで我慢してるんだよ(笑)


★さとさんはアンテナだしナビゲーターだし大蔵省！！

Bunさん：
俺は、さとに言われたことには乗っかる。乗っかって形にする人。

智美さん：
そうそう、そうだね。
ひょうたんライトもそう。伊豆の方にあるらしいって、見に行って。
陶器だったけどね。

Bunさん：
陶器でひょうたんの形して、穴が空いてて…。
さとが「これ作ったら？」って。
作ってろうそくを入れたら綺麗だったのね。
だけど40分位したら燃えちゃって(笑)
一作目、燃えちゃったよ(笑)

智美さん：
常に新しいもの見つけて遊ぶのが好きだよね。
子供の頃から一緒にいるからタイミングが合うというかさ。

Bunさん：
俺は結構飽きっぽい性格で。
気がついたらカリンバだけだよね、続いてるのは。
あと人に影響されやすいんだよね(笑)

結婚は、なんか二人でつくり上げるもの

★喧嘩しますか？？

Bunさん：
ケンカは日常茶飯事ですよ(笑)

智美さん：
きっかけは忘れちゃうんだよね。
で、一週間もケンカ続ける人いるけど、そんなの無理だからさ(笑)
その日で収めたいと思うから、ヒートアップする(笑)
仲直りは、餌を撒く(笑)

Bunさん：
え、餌撒かれてるの？

智美さん：
味噌汁作って置いとくとか。
それで食べなかったらまだ怒ってるんだなとか(笑)
じゃぁ次は何作って置いておこうか、て感じ。


★じゃぁ仲良しの秘訣は餌付け？！

Bunさん：
ま、そうかもね(笑)

智美さん：
あとね、この人の場合は、(悪かったなと思うと)いろいろ掃除とかしてくれる。
マメだよね、マメモードに入るとマメなんだよね。


★お二人にとって「結婚」とは

Bunさん：
共同生活だよね。なんか二人でつくり上げるもの、何かを。
前半は、旅だったり、子供を育てて…
子供が育ってからは、ここの1階と2階を作り上げて。お店をね。
でもね、お店始めてから2年間くらい、子供と暮らしてないのがちょっと寂しいね～。
ま、今も娘が3階に来てるけど。
子供と一緒に暮らしたいよね。


★まだ運命の人に出会ってない方へのアドバイス

Bunさん：
なんか趣味があれば、それが好きな人の集まる場所に行ったらいいよね。
それが運命かどうかはわからないけど。
趣味が1個合ってればいいよね。

智美さん：
好奇心が通じてるといいよね。
趣味自体が違っても、お互い「そういう世界もあるの？」みたいに思えたらね。


★結婚するか迷ってる人へのメッセージ

Bunさん：
うちの娘にも言ってるんだけど、結婚する前に3ヶ月とか半年とか同棲してみるといいよね。
そしたらその人となりが見えるから。
あとは旅！
難しいかもしれないけど、1ヶ月くらい海外に旅をすると、旅って人間があからさまになるじゃない？
さとが牛に追っかけられてるのに俺は遠くでヘラヘラ笑ってるような人間だからさ(笑)
そういうのがわかる(笑)
そういう人とは結婚しちゃいけない！

(一同爆笑)

智美さん：
結婚してからだからね！(笑)
「うっそでしょ～高台でニヤニヤ笑ってるし」って感じだった(笑)


★お互いに点数つけるとしたら…

Bunさん：点数はよくわかんないけど、要は満足だよね。

智美さん：
数字嫌いなんだよね(笑)
私は「左様左様」で(笑)


★お二人の今後について

Bunさん：
ここ(お店)を拠点に、何か発信できたらいいよね。みんなで。
2階は、音楽とか芸術を発信できたらいいなと思って。
1階は、さとの食を通じてね。あと果実酒っていう文化も。

智美さん：
みんなでね、飲んで盛り上がるような、勢いをつけるような。
よし、やるかー！って、みんなの希望が盛り上がる場所であったらいいな。
なんかこう、アーティストとかってさ、一人で活動してる人が多いじゃん？
そういう人ってテンションキープするのって、すごい大変じゃない、やる気が起きない時がきたりとか。
似たような人がたくさんいるじゃん。
お互い、自分の世界を否定しないで、上がっていけたらいいよね。


★素敵！だからみんなが入り浸っちゃうんですね(笑)遠方からの常連さんがいるって前に聞きました(笑)

智美さん：
いるいる！(笑)


★インタビューは終始笑い通し！そんな楽しいお二人に、みなさんぜひ会いに行ってみてください！


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バーバーバー　カリンバー

Bunさん・智美さんご夫妻の経営するお店です。
Bunさんのお父様が経営していた床屋（バーバー）を改装して、自家製果実酒や山形・奄美大島の郷土料理を楽しめるお店です。
２階のアートスペースMt,MOONでは、カリンバ作り・ひょうたんライト作りのワークショップや各種ライブを開催しています。

東京都北区赤羽1-20-3
TEL 03-6874-2734
※火・水曜定休日
https://www.kalimbar.com/

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インタビュー　２０１９年８月１９日
撮影・聞き手　ミツハタ フミ

Ｂｕｎさん・智美さん　結婚のきっかけ